理研CBSの紹介

脳神経科学研究センター(理研CBS)は、「心」の基盤としての「脳」を研究する日本の中核拠点。自然科学に残された最後のフロンティアである脳を理解するべく細胞から個体、社会システムを含む多階層での基礎研究を進め、その成果を社会へ還元します。

理研CBSでは、大学院生受け入れ制度によって研究室に入室した大学院生は、充実した研究環境で研究指導を受けながら、修士論文・博士論文を仕上げ、所属大学院の学位を取得することができます。理研CBSは、国際性豊かな研究環境であり、様々な研究者育成プログラムが用意されています。


01センター長のことば

影山 龍一郎センター長の画像

理研CBSは、若手研究者に研究の場を提供するとともに、研究室に柔軟な発想を取り入れることを目的として連携大学院制度を設けています。

前身であるBSI時代(1997-2018)から、脳科学研究を担う若手研究者の育成に力を入れてきました。例えば、1999年から実施している「サマープログラム」では、主に大学院生を中心として、研究室のインターンとして受け入れるインターンコースと1-2週間の集中脳科学講座を受講するレクチャーコースで毎年40名以上の若手研究者を受け入れてきました。

そのほかにも、2009年に創設した「脳科学塾」は、日本で初めて英語で脳科学を体系的に学ぶことができる講義シリーズとして高い評価を得ています。2020年には新型コロナ感染症対策によりオンラインでの実施となりましたが、これまで以上に全国から大勢の参加者が集まりました。脳科学に関心を寄せてくれている多くの若者に、第一線で活躍する研究者の講義を受講してもらうことができたことを心強く感じています。

理研CBSには、より深く研究に関わりたいと希望する全世界の大学院生のために、経済的支援のある大学院生受け入れ制度があります。国内の大学院生にはJRA(大学院生リサーチ・アソシエイト)、外国の大学院生にはIPA(国際プログラム・アソシエイト)という研究員のタイトルを設けており、採用されると各研究室に参加できます。現在の大学院に所属しながら、理研CBSで世界最先端の研究に携わることができるのです。

脳研究に興味のある大学院生には是非研究のだいご味を感じていただきたいと思います。
皆さんのチャレンジ精神と瑞々しい発想力を活かす場が、ここにあります。


02理研CBSの研究

理研CBSの個々の研究室で行われている研究については、こちらのページ をご参照ください。


03研究設備について

理研CBSでは、研究を支える以下のユニットがあり、こうした部門のサポートにより、研究者が効率的・効果的に実験を進めることができます。
研究基盤開発部門(RRD: Research Resources Division)による研究サポート

また、研究機器も取り揃えており、最先端の設備での研究が可能になります。

1. イメージング

  • 7T MRI (2022年度から利用可能)
  • 電子顕微鏡(FIB-SEM, SEM Array Tomography)(2022年度から利用可能)
  • 共焦点レーザー顕微鏡
  • 二光子レーザー顕微鏡(理研CBS-エビデント連携センター(BOCC))
  • スライドスキャナー
  • TissueCyte

分析も以下の装置を使って行われ、利用についてはサポートを得ることができます。

2. 生体物質分析

  • 次世代シークエンサー
  • 質量分析装置
  • 遺伝子多型解析
  • 自動細胞分取分析

 

3. 実験動物施設

  • マウス行動解析バッテリー
  • マウス胚操作技術
  • マーモセット飼育施設
  • ゼブラフィッシュ飼育施設(National BioResource Project)

04国際的環境

理研CBSでは英語が公用語です。そのため、各国から来日している研究者と交流しながら研究ができます。また、定期的に開催されるセミナーやフォーラムは主に英語で開催されます。ラボでのミーティングも主に英語で行われ、外国人スタッフとのやりとりもたくさんあります。若手研究者が発表するYIS (Young Investigators Seminar and Social)では、英語で発表、質疑応答が行われます。


05若手研究者育成プログラム

理研CBSには、若手研究者を育成するための様々なプログラムがあります。詳細については、それぞれのリンクをご参照ください。

  1. 脳科学塾: 大学院生を対象に実施される包括的脳科学講座
  2. サマープログラム: 1週間の集中脳科学講義は、理研CBSメンバーが自由に参加できます。
  3. Young Investigators Seminar and Social: 若手研究者の研究発表の機会。現在はZOOMで行われており、発表に対して他チームからのメンバーとも議論します。
  4. CBSリトリート: 学会発表の練習にもなるポスター発表や口頭発表が活発に行われるセンターをあげてのイベントで、学際的交流が生まれます。
  5. CBSS: 月1回実施されるCBSセミナーシリーズでは、脳科学の各分野における主に海外からの著名な研究者が専門的な講義を行います。